リッチ曲率とは?
りっちきょくりつ
リーマン多様体において、各方向の曲がり方を平均した量で、アインシュタイン方程式の中心的な構成要素です。
リッチ曲率(Ricci curvature)とは、リーマン多様体の曲率を記述する量のひとつで、リーマン曲率テンソルを縮約(トレースを取る)して得られる対称2階テンソルです。イタリアの数学者グレゴリオ・リッチ=クルバストロにちなんで命名されています。
リーマン曲率テンソルは4指数を持つ複雑な量ですが、リッチ曲率はその一部の情報を取り出した2指数のテンソルで、幾何学的には「ある方向に向かって広がる測地線の束が、その方向と直交する方向にどれだけ収束・発散するか」の平均を表します。リッチ曲率がすべての方向で正の多様体は測地線が集まる傾向を持ち、負の場合は広がる傾向があります。
リッチ曲率のスカラー値まで縮約したものがスカラー曲率であり、さらにリッチ曲率テンソルを計量テンソルの倍数の形に制限した特別な多様体をアインシュタイン多様体と呼びます。
最も重要な応用はアインシュタインの一般相対性理論で、アインシュタイン方程式においてリッチ曲率テンソルとスカラー曲率が時空の曲がり(重力)とエネルギー・運動量テンソルを結びつけます。また、リッチフローはリッチ曲率に沿って計量を変化させる微分方程式で、ペレルマンによるポアンカレ予想の証明に使われたことで広く知られています。
使い方・例文
一般相対性理論で、星の周囲の時空の曲がりを記述するシュワルツシルト解を導くとき、リッチ曲率テンソルが方程式の核心として現れます。
この用語をシェア
最終更新: