リスク補償とは?
りすくほしょう
リスク補償とは、安全対策によってリスクが下がったと感じると人が行動を大胆にし、結果的に危険が相殺される心理・行動メカニズムのことです。
リスク補償(Risk Compensation)とは、ある対策によって知覚されるリスクが低下したとき、人がその分だけ行動をより大胆・無謀にする傾向を指します。安全策の効果が行動変容によって打ち消されてしまうため、「リスク恒常性」とも呼ばれます。
この概念は1970年代にカナダの研究者サム・ペルツマンが自動車の安全規制を分析した際に注目されました。シートベルトの義務化後も交通事故死者数が期待ほど減らなかった原因として、ドライバーが「ベルトをしているから安心」と感じてスピードを上げたり車間距離を詰めたりする行動が指摘されました。これをペルツマン効果とも呼びます。
リスク補償が見られる場面は多岐にわたります。
- ヘルメット着用でスキーヤーが以前より急斜面に挑む
- 自転車の安全装備により無謀な走行が増える
- 感染症対策のワクチン接種後に人混みへの外出が増加する
- 金融市場で保険や保証の存在がモラルハザードを生む
行動経済学や公衆衛生の分野でこの現象は重要視されており、安全対策を設計する際には「人がどう行動を変えるか」を予測に組み込む必要があります。対策効果を最大化するためには、リスク教育や行動モニタリングを合わせて実施することが求められます。
使い方・例文
ヘルメットをかぶったスケートボーダーが以前より高いトリックに挑戦するのは、リスク補償の典型例です。
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