ポテンシャルエネルギー曲面とは?
ぽてんしゃるえねるぎーきょくめん
ポテンシャルエネルギー曲面とは、分子内の原子配置(核座標)に対するポテンシャルエネルギーの値を多次元空間で表した曲面のことです。
ポテンシャルエネルギー曲面(PES: Potential Energy Surface)とは、分子を構成する原子の空間的な配置(核座標)の関数として、そのエネルギーを表した多次元の曲面のことです。量子化学・分子動力学の中核をなす概念で、化学反応や分子振動を理解するための地図として機能します。
ボルン・オッペンハイマー近似(電子は核よりはるかに軽く速いため、電子状態は核の位置に瞬時に追随するという近似)が成り立つとき、核の運動は電子エネルギーを含んだポテンシャルエネルギー曲面上の運動として扱えます。
ポテンシャルエネルギー曲面上で重要な特徴点には次のものがあります。
- 極小点:安定な分子構造(平衡構造)に対応する。谷底に相当する
- 鞍点(遷移状態):反応経路上の最高エネルギー点。化学反応の「峠」に相当し、活性化エネルギーを与える
- 反応経路(IRC):反応物から遷移状態を経て生成物へ至る最小エネルギー経路
ポテンシャルエネルギー曲面の計算と解析は、化学反応速度論、触媒設計、医薬品分子設計、材料開発など幅広い分野で応用されています。量子化学計算ソフトウェアの発展により、複雑な系の曲面探索が実用的に行えるようになっています。
使い方・例文
新しい触媒の設計では、反応物が触媒表面上でどのようなポテンシャルエネルギー曲面をたどって生成物に変化するかをコンピュータでシミュレーションし、活性化エネルギーが最も低い経路を探索します。
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