トーネット椅子とは?
とーねっといす
トーネット椅子とは、19世紀にミヒャエル・トーネットが開発した曲木(まげき)技術によって量産されたデザイン椅子の総称です。
トーネット椅子(トーネットいす)とは、オーストリア・ドイツ系の家具職人ミヒャエル・トーネット(Michael Thonet, 1796〜1871)が19世紀中頃に確立した蒸気を使った曲木(まげき・きょくぼく)加工技術によって生産された椅子の総称です。代表作である「チェアNo.14」(後に「214番」として知られる)は、20世紀末までに1億脚以上が生産されたとも言われる、史上最も量産された椅子の一つです。
曲木技術の革新性として、それ以前の家具製作では複雑な曲線部材を多くのパーツを継ぎ合わせて作っていました。トーネットは蒸気で柔らかくしたブナ材を型に当てて曲げ、乾燥・固定する技術を工業的に確立しました。これにより少ないパーツで強度のある曲線形状が作れるようになりました。
工業デザイン史上の意義は次の点にあります。
- 標準化された部品の大量生産と分解・梱包による輸送コスト削減
- シンプルで美しい形態の民主化(安価で広く普及)
- バウハウスや近代デザイン運動に大きな影響を与えた
- ル・コルビュジエをはじめ多くの建築家・デザイナーが愛用
現在もトーネット社(Thonet GmbH)は存続しており、オリジナルデザインを継承した椅子が生産されています。カフェや公共空間で今も広く使われているこの椅子は、近代工業デザインの原点の一つとされています。
使い方・例文
ヨーロッパの老舗カフェで背もたれに丸い曲木の輪が付いた木製の椅子を見かけたとき、それはトーネット椅子(またはその影響を受けたカフェチェア)である可能性が高いです。
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