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トラスツズマブとは?

とらすつずまぶ

トラスツズマブとは、HER2陽性の乳がんや胃がんに対して用いられる分子標的薬(抗体薬)で、がん細胞の増殖シグナルを特異的に阻害する治療薬です。

トラスツズマブは、HER2(ヒト上皮成長因子受容体2型)というタンパク質を標的とするヒト化モノクローナル抗体です。商品名「ハーセプチン」として知られ、1998年にアメリカFDAに承認された歴史的な分子標的薬の先駆けの一つです。

HER2は細胞の増殖シグナルを伝える受容体で、乳がんの約20〜25%、胃がんの一部においてHER2が過剰発現(異常に多く作られる状態)していることが知られています。HER2陽性のがんは増殖が速く悪性度が高い傾向があります。

トラスツズマブはHER2に結合することで、

  • 増殖シグナルの伝達を遮断する
  • 免疫細胞(NK細胞など)をがん細胞に呼び寄せて攻撃させる(ADCC:抗体依存性細胞傷害)
  • がん細胞のHER2の分解を促進する
という複合的なメカニズムで抗腫瘍効果を発揮します。

投与方法は主に点滴静注で、手術前後の補助療法(アジュバント・ネオアジュバント療法)や転移性乳がん・胃がんの治療に使われます。主な副作用として心機能障害があるため、治療中は心臓の定期検査が必要です。近年ではトラスツズマブと抗がん剤を結合させたADC(抗体薬物複合体)も登場し、がん治療の選択肢が広がっています。

使い方・例文

HER2陽性乳がんと診断された患者が術後の再発予防として、トラスツズマブを1年間にわたり3週おきに点滴で投与するというのが典型的な治療場面です。

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