ストリキニーネとは?
すとりきにーね
ストリキニーネとは、マチン(フジウツギ科の植物)の種子から得られるアルカロイドで、かつて薬用・殺鼠剤に用いられたが現在は猛毒として知られます。
ストリキニーネ(strychnine)は、インドやアジア原産のマチン(Strychnos nux-vomica)の種子に含まれる天然アルカロイドです。白色の針状結晶で苦味が非常に強く、純粋な物質の中でも最も苦い部類に入ります。
薬理作用の核心は、脊髄および脳幹の抑制性神経伝達物質グリシンの受容体(グリシン受容体)への拮抗作用です。通常、グリシンは運動ニューロンへの過剰な興奮を抑えますが、ストリキニーネがその受容体を遮断すると、わずかな刺激でも筋肉が激しく痙攣します。特徴的な症状は全身の強直性痙攣(角弓反張:全身が弓なりに反り返る)であり、意識は保たれたまま痛みを感じながら窒息死に至ることもあります。
歴史的には19〜20世紀初頭に興奮剤・強壮剤(心臓・呼吸の刺激)・殺鼠剤・鳥獣忌避剤として広く使用されました。かつてはオリンピック選手が使用した記録もあります。現在は多くの国で殺鼠剤としての一般流通が規制されており、日本では毒物として指定されています。
中毒治療はジアゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬で痙攣を抑え、人工呼吸管理で呼吸を維持することが中心です。有効な特異的解毒剤はありません。
使い方・例文
ストリキニーネは法医学の文脈で毒物事件の鑑定対象として登場するほか、過去の医学史・薬理学の教材で抑制性神経伝達の説明に用いられます。
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