ジフテリア菌とは?
じふてりあきん
ジフテリア毒素を産生するグラム陽性桿菌で、かつて小児の死亡原因として恐れられた感染症の病原体です。
ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)は、コリネバクテリウム属に属するグラム陽性の桿菌です。顕微鏡で観察すると、細菌がV字・Y字状に並ぶ特徴的な「柵状配列」が見られます。
ジフテリア菌の病原性の本体は、ジフテリア毒素(DT)という外毒素です。この毒素はバクテリオファージ(β-ファージ)が菌に感染することで産生されるようになります。毒素はタンパク質合成に関わるEF-2(伸長因子2)を不活化し、細胞のタンパク合成を停止させて組織を壊死させます。
感染は主に飛沫感染で、上気道に定着した菌が局所で毒素を産生します。咽頭・喉頭に灰白色の偽膜(フィブリンと壊死組織からなる膜)が形成され、気道閉塞による窒息や、毒素の血中移行による心筋炎・神経障害が生じます。ワクチン接種が広まる以前は小児の主要な死亡原因の一つでした。
現在はジフテリア・破傷風・百日咳(DTP)混合ワクチンの定期接種により、多くの先進国ではほぼ根絶状態にあります。ただし接種率が低下した地域で再流行が起きた事例もあり、ワクチン接種の維持が重要です。
使い方・例文
ワクチンの歴史を学ぶ授業や感染症の教材で、DTPワクチンによる制圧の成功例として紹介されます。また、咽頭に偽膜形成を起こす疾患の鑑別診断として医学教育でも扱われます。
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