コミュニカティブ合理性とは?
こみゅにかてぃぶごうりせい
コミュニカティブ合理性とは、ハーバーマスが提唱した概念で、対話と相互理解を通じて合意を形成する理性の働きのことです。
コミュニカティブ合理性(コミュニカティブごうりせい、英: communicative rationality)とは、ドイツの社会哲学者ユルゲン・ハーバーマスが主著『コミュニケーション行為の理論』(1981年)で提唱した概念です。道具的合理性(目的達成のための手段の最適化)とは区別される、もう一つの合理性の形態として位置づけられます。
道具的合理性が「目的に対して最も効率的な手段を選ぶ」能力を指すのに対し、コミュニカティブ合理性は「言語を用いた対話を通じて相互理解・合意を目指す」能力を指します。ハーバーマスは、現代社会が道具的合理性に偏りすぎており、生活世界が「システム」(市場・国家)によって植民地化されていると批判しました。
コミュニカティブ合理性が成立するためには、以下のような「理想的発話状況」が必要とされます。
- 参加者が対等な立場で発言できること
- 力や権威ではなく、より良い議論の力のみが合意を導くこと
- 誰もが提案・批判・反論を自由に行えること
この概念は、民主主義における討議・熟議の理論的基盤となり、「討議民主主義(deliberative democracy)」の展開に大きく貢献しました。現代の政治理論・教育学・コミュニケーション論など幅広い分野で参照される重要な概念です。
使い方・例文
「議会や市民フォーラムで異なる立場の人々が対等に議論し、力ではなく理由の説得力によって政策合意を形成するプロセスは、コミュニカティブ合理性の実践例です。」
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