コハク酸デヒドロゲナーゼとは?
こはくさんでひどろげなーぜ
コハク酸デヒドロゲナーゼとは、細胞のミトコンドリアに存在し、クエン酸回路と電子伝達系の両方に関わる重要な酵素タンパク質複合体です。
コハク酸デヒドロゲナーゼ(succinate dehydrogenase、SDH)は、ミトコンドリアの内膜に組み込まれた酵素複合体で、クエン酸回路(TCAサイクル)の第6ステップと、電子伝達系(呼吸鎖)の複合体IIという二つの代謝経路に同時に関与する特異な酵素です。
この酵素が触媒する反応は、コハク酸(succinate)をフマル酸(fumarate)に酸化する脱水素反応です。この過程で取り出された電子は補酵素FADを経由してユビキノン(補酵素Q)に渡され、最終的に酸素への電子伝達を通じてATPの産生に貢献します。コハク酸デヒドロゲナーゼは四つのサブユニット(SDHA・SDHB・SDHC・SDHD)で構成されており、それぞれが異なる役割を担っています。
医学・生物学的な観点では重要な側面がいくつかあります。
- SDHのサブユニットをコードする遺伝子に変異が起きると、褐色細胞腫や傍神経節腫などの腫瘍が発生しやすくなることが知られている
- 組織化学的にSDH活性を染色する検査(SDH染色)は筋疾患の診断に用いられる
- 一部の農薬(SDHI系殺菌剤)はこの酵素を標的として菌のエネルギー産生を阻害する
エネルギー代謝の中心に位置する酵素であり、細胞生物学・医学・農学など幅広い分野で研究対象となっています。
使い方・例文
生化学の実験では、コハク酸デヒドロゲナーゼの活性を確認するためにコハク酸とメチレンブルーを用いた脱色反応が教材として使われます。
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