コハク酸とは?
こはくさん
コハク酸とは、クエン酸回路の中間体として細胞のエネルギー産生に関わる有機酸で、食品の旨み成分としても知られます。
コハク酸(succinic acid)は、炭素数4つのジカルボン酸(HOOC-CH₂-CH₂-COOH)で、化学的にはブタン二酸とも呼ばれます。生体内ではミトコンドリアのクエン酸回路(TCAサイクル)の中間体として重要な役割を担います。
クエン酸回路において、コハク酸はコハク酸デヒドロゲナーゼという酵素によってフマル酸へと酸化される反応を触媒します。この過程でFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)が還元されてFADH₂が生成され、電子伝達系でATP産生に利用されます。
コハク酸の主な特徴と用途は以下のとおりです。
- 旨み成分:貝類・日本酒・チーズなどに含まれ、独特のうまみと酸味を与える
- 食品添加物:酸味料・旨み調整として使用
- 化学工業:生分解性プラスチックや各種化学品の原料
- 医薬・栄養補助:疲労回復のサプリメントや点滴製剤に配合
また、コハク酸は微生物による発酵生産が可能で、バイオ由来の持続可能な化学品原料として注目されています。名称の由来は琥珀(コハク)を加熱蒸留した際に得られる酸であることからきています。
使い方・例文
アサリの酒蒸しやハマグリの潮汁の旨みの正体がコハク酸であるとされ、食品科学や栄養学の文脈でよく登場します。生化学の授業ではTCAサイクルの図に必ず記載される重要な中間体です。
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