ギブズの相律とは?
ぎぶずのそうりつ
ギブズの相律とは、平衡状態にある系で独立に変化させられる状態変数の数(自由度)が、成分数と相の数から決まるとする熱力学の法則です。
ギブズの相律は、アメリカの物理化学者ジョサイア・ウィラード・ギブズが19世紀後半に導いた関係式で、多成分・多相系の平衡を理解するうえで不可欠な原理です。自由度をF、独立成分数をC、相の数をPとすると、F=C-P+2 と表されます(圧力・温度のみ外部変数とする場合)。
ここでいう「自由度」とは、系の平衡状態を変化させずに独立して変えられる温度・圧力・組成などの変数の数を指します。「相」は固相・液相・気相のように物質的・物理的性質が均一な領域のことです。
純粋な水(C=1)を例にとると、固・液・気の3相が共存する三重点ではP=3となり、F=1-3+2=0となります。つまり自由度はゼロで、三重点は温度も圧力も一意に決まった固定点です。一方、液体と気体の2相共存(P=2)ではF=1となり、温度を決めれば圧力も自動的に決まります(飽和蒸気圧曲線)。
相律が活用される場面は多岐にわたります。
- 合金・セラミクスの相図(状態図)の解釈と設計
- 蒸留・晶析などの分離プロセスの最適化
- 地質学での鉱物の生成条件推定
- 食品・製薬における多成分系の安定性評価
使い方・例文
食塩水を冷却していくと、ある温度で氷と食塩水と固体食塩の3相が共存する共晶点に達します。ギブズの相律によってこの点では自由度がゼロになるため、温度・圧力・組成がすべて固定され、冷凍食品や凍結防止剤の設計に応用されています。
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