ガレノスとは?
がれのす
ガレノスとは、2世紀ローマ帝国時代に活躍したギリシャ系の医師・医学著述家で、古代医学の集大成者として中世ヨーロッパ医学の基盤を形成した人物です。
ガレノス(Claudius Galenus、129年頃〜216年頃)は、現在のトルコにあたる小アジアのペルガモン出身の医師です。ローマ皇帝マルクス・アウレリウスをはじめ複数の皇帝の侍医を務めたことでも知られる、古代最大の医学権威のひとりです。
ガレノスはヒポクラテス医学を継承しつつ、解剖学・生理学・薬理学・治療論にわたる膨大な医学書を著しました。現存する著作だけでも100点を超え、医学史上最多の著述を残した医師のひとりとされています。彼の医学理論の中心にあるのは、「四体液説」(血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁のバランスが健康を決める)を基盤とした体系で、ヒポクラテスの学説をより精緻化したものです。
解剖学では、ローマ時代に人体解剖が禁じられていたため、主に豚やサルの解剖をもとに人体の構造を推論しました。その結果として一部の記述には誤りも含まれていましたが、それでも彼の解剖学的知見は中世を通じて権威として扱われました。
ガレノスの医学体系は、アラビア語に翻訳されてイスラム医学に継承され、さらにラテン語に再翻訳されてヨーロッパ中世医学の礎となりました。16世紀にアンドレアス・ヴェサリウスが人体解剖の直接観察によって誤りを指摘するまで、約1400年にわたってヨーロッパ医学の根幹を占め続けました。
使い方・例文
西洋医学史の授業や医療の歴史を扱う書籍で「古代から中世にかけて医学の教科書として絶対的権威を持っていた医師」としてガレノスの名前が登場します。
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