カルニチンアシルトランスフェラーゼIとは?
かるにちんあしるとらんすふぇらーぜわん
カルニチンアシルトランスフェラーゼIとは、長鎖脂肪酸をミトコンドリアへ輸送するための最初のステップを担う酵素で、脂肪酸の燃焼(β酸化)の律速酵素です。
カルニチンアシルトランスフェラーゼI(Carnitine Acyltransferase I、略称 CAT-I または CPT-I)は、ミトコンドリア外膜に存在する酵素で、長鎖脂肪酸をミトコンドリア内に運び込むための「カルニチンシャトル」の第一段階を触媒します。
脂肪酸は細胞質でアシル-CoA(活性化された脂肪酸)に変換されますが、この形のままではミトコンドリアの内膜を通過できません。CPT-Iはアシル基をCoAからカルニチンへ転移させ、アシルカルニチンを生成します。このアシルカルニチンがトランスロカーゼによってミトコンドリア内膜を通過し、内側でCPT-II(カルニチンアシルトランスフェラーゼII)によって再びアシル-CoAに戻され、β酸化(脂肪酸の燃焼分解)が行われます。
CPT-Iには主に以下のアイソフォームが知られています。
- CPT-Iα(肝型):肝臓・腎臓・膵臓などに発現し、飢餓時のケトン体産生に重要
- CPT-Iβ(筋肉型):骨格筋・心筋に発現し、運動時のエネルギー産生を担う
- CPT-Iγ(脳型):主に脳に発現
CPT-Iはマロニル-CoAによって強く阻害されるという特徴があります。インスリン分泌後に脂肪酸合成が活発な状態ではマロニル-CoAが増加してCPT-Iを抑制し、脂肪酸の分解が抑えられます。逆に絶食・運動時にはマロニル-CoAが減少してCPT-I活性が高まり、脂肪酸燃焼が促進されます。CPT-Iの遺伝的欠損症は低血糖や肝機能異常を引き起こす代謝疾患として知られています。
使い方・例文
長時間の有酸素運動やダイエット中に体が脂肪を効率よく燃焼できるかどうかは、CPT-Iの活性と密接に関わっており、代謝に関する医学・栄養学の研究でよく登場する酵素です。
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