カラスのパラドックスとは?
からすのぱらどっくす
「パラドックス」の用語まとめを見るカラスのパラドックスとは、「すべてのカラスは黒い」という命題を確認するのに、黒くないカラス以外のものを観察することが論理的に等価になるという、帰納法をめぐる逆説です。
カラスのパラドックス(ヘンペルのパラドックスとも呼ばれる)は、20世紀の哲学者カール・グスタフ・ヘンペルが提起した、科学的な帰納推論をめぐる逆説です。
論旨はこうです。「すべてのカラスは黒い」という仮説は、論理的に「黒くないものはすべてカラスではない」という命題と等価です(対偶)。ならば、黄色いバナナや赤いリンゴを見るたびに「これはカラスではないし、黒くもない」と確認できるので、それらの観察が「すべてのカラスは黒い」という仮説を支持することになります。
しかし直感的には、バナナを観察してもカラスの色について何もわからないはずです。この「直感」と「論理的帰結」のズレがパラドックスの核心です。
解決策や解釈としては、主に次のものが議論されています。
- ベイズ主義的解釈:バナナの観察も仮説をわずかに支持するが、その程度は極めて小さいとする。
- 関連性の観点:観察が仮説と「意味のある関連」を持つかどうかが重要だとする。
- 標本空間の問題:観察対象の選び方によって証拠の重みが変わるとする。
このパラドックスは、科学的証拠とは何か、帰納推論はどこまで信頼できるかという科学哲学の根本問題に直結しており、現代でも議論が続いています。
使い方・例文
「黄色いレモンを見るたびに、カラスはすべて黒いという法則が少し証明される」という奇妙な結論が、カラスのパラドックスを話題にする際の典型的な導入として使われます。
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