オフリスとは?
おふりす
オフリスとは、昆虫の姿に似た花を咲かせるランの一属で、昆虫を性的に欺いて花粉を運ばせる擬態受粉で知られるヨーロッパ・地中海沿岸原産の植物です。
オフリス(Ophrys)は、ラン科オフリス属に分類される多年草の総称です。地中海沿岸地域を中心にヨーロッパから中東・北アフリカにかけて約200種以上が分布しており、その独特な花の構造から植物学的にも生態学的にも高い注目を集めています。
最大の特徴は花びら(唇弁)が特定の昆虫のメスの姿に酷似していることです。花は形態だけでなく、昆虫のメスのフェロモンに似た揮発性化学物質(偽フェロモン)を放出します。これに誘引されたオスの昆虫が交尾行動を取ろうと花に乗ることで花粉塊(ポリニア)が昆虫の体に付着し、別の花へ運ばれて受粉が成立します。この仕組みは「性的擬態」または「偽交尾受粉」と呼ばれ、自然界でも最も巧妙な受粉戦略のひとつとされています。
代表的な種には以下があります。
- オフリス・アピフェラ(ミツバチランク):ミツバチに擬態
- オフリス・スペクルム(ハチ眼ラン):ツチバチに擬態
- オフリス・フクシフロラ(マルハナバチラン):マルハナバチに擬態
各種が特定の昆虫種と高度に共進化しており、特定の昆虫が存在する地域にのみ生育します。球根状の地下器官を持ち、草原・灌木地・石灰岩地などに生育します。美しい花から園芸的人気もありますが、移植が難しい種が多く、自生地保護が重要です。
使い方・例文
生物の授業や進化論の話題でオフリスはしばしば「昆虫を騙す植物」として紹介され、擬態と共進化の典型例として取り上げられます。
この用語をシェア
最終更新: