エントロピー増大の法則とは?
えんとろぴーぞうだいのほうそく
「法則」の用語まとめを見るエントロピー増大の法則とは、孤立した系においてエントロピー(乱雑さ・無秩序さの程度)は時間とともに増大し続け、自然に減少することはないという熱力学の基本原理です。
エントロピーとは、系の無秩序さや乱雑さを表す物理量です。エントロピー増大の法則は熱力学の第二法則の中核をなす原理であり、自然界におけるエネルギー変換や変化の方向性を支配します。
たとえば部屋に香水を一滴たらすと、香り分子は拡散してやがて部屋全体に広がります。これはエントロピーが低い状態(分子が一か所に集中)から高い状態(分子が均一に分布)へ変化した例です。逆に、部屋中の香り分子が自然に1か所に集まることは事実上起こりません。
統計力学的に解釈すると、エントロピーはその状態を実現できるミクロな配列の数の対数に比例します。無秩序な配列の数は秩序ある配列の数より圧倒的に多いため、系は統計的に必ずより無秩序な方向へ向かいます。
この法則が持つ意味は幅広く、
- 熱機関の最大効率(カルノー効率)の限界
- 老化・腐敗・崩壊といった現象の熱力学的説明
- 情報理論における情報エントロピーの概念
- 宇宙の「熱的死」という長期的シナリオ
生命体は外部からエネルギーを取り込んで体内のエントロピーを局所的に下げていますが、環境全体のエントロピーはその分以上に増大するため、法則は破れていません。
使い方・例文
コップに落としたインクが水全体に広がり、元に戻らないのはエントロピー増大の典型例です。また、砂山が崩れて平らになるのも同様で、自然に砂山が形成されることはありません。
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