エンタルピーとは?
えんたるぴー
エンタルピーとは、物質が持つ内部エネルギーと圧力・体積の積の和で表される熱力学的状態量で、定圧過程での熱の出入りに相当します。
エンタルピー(enthalpy)は熱力学の基本状態量のひとつで、記号 H で表されます。定義式は H = U + pV であり、U は系の内部エネルギー、p は圧力、V は体積を表します。
日常の化学反応や工業プロセスの多くは大気圧下(定圧条件)で進行します。定圧過程では、系が吸収または放出した熱量 Q がそのままエンタルピー変化 ΔH に等しくなります(ΔH = Q)。これがエンタルピーの実用的な意義です。
エンタルピー変化の符号によって反応の熱的性質が分かります。
- ΔH < 0(発熱反応):燃焼や中和反応など、熱を周囲に放出する反応。
- ΔH > 0(吸熱反応):熱分解や蒸発など、周囲から熱を吸収する反応。
化学では生成エンタルピー・燃焼エンタルピー・溶解エンタルピーなど様々な種類が定義されており、ヘスの法則(経路によらずΔHは一定)を使うと複数の反応を組み合わせてΔHを計算できます。工業的には燃料の発熱量評価、冷暖房効率の設計、化学プラントのエネルギー収支計算など、広い場面でエンタルピーの概念が使われています。
使い方・例文
メタン1モルが完全燃焼するときの反応エンタルピー(燃焼エンタルピー)は負の大きな値をとり、これが都市ガスの発熱量の指標として利用されています。蒸発エンタルピーはエアコンの冷媒設計にも関わる重要な値です。
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