エチレンとは?
えちれん
エチレンとは、植物が自ら生成するガス状のホルモンで、果実の熟成・落葉・老化などを促す働きを持つ植物の成長調節物質です。
エチレン(ethylene)は、植物が体内で合成・放出するガス状の植物ホルモンで、化学式はC₂H₄です。炭素原子二つが二重結合した最も単純な有機化合物の一つであり、植物の生理作用に幅広く関わっています。
エチレンが引き起こす主な働きには次のようなものがあります。
- 果実の熟成促進:バナナ・りんご・トマトなどのクライマクテリック型果実では、熟成の過程でエチレンが大量に放出され、追熟を一気に進めます。
- 落葉・落果の誘導:秋に葉が落ちる前、植物はエチレンを分泌して葉柄の離層形成を促します。
- 老化の促進:花や葉の老化を加速させる働きがあります。
- 発芽や根の成長調節:種子の発芽や根の成長に影響を与える場合もあります。
エチレンは植物体内で産生されるだけでなく、外部からも作用します。例えば、りんごをバナナと一緒に密閉した袋に入れると、りんごが放出するエチレンによってバナナが素早く熟します。この性質は農業・流通分野で活用されており、未熟な状態で収穫した果実を倉庫でエチレン処理することで計画的に熟成させます。一方、長期保存が必要な場合はエチレンを除去・遮断する低エチレン冷蔵庫が利用されます。
植物ホルモンの研究においてエチレンは古くから注目されており、農学・生命科学の重要なテーマの一つです。
使い方・例文
「バナナをりんごと一緒に袋に入れておくと、エチレンの作用で早く黄色くなる。」農業・食品流通・植物生理学の説明などの場面に登場します。
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