アル=ラーズィーとは?
あるらーずぃー
アル=ラーズィーとは、9〜10世紀のイスラム世界を代表する医師・哲学者・錬金術師で、臨床医学の発展に大きく貢献し、ヨーロッパでは「ラーゼス」として知られる学者です。
アブー・バクル・ムハンマド・イブン・ザカリーヤー・アル=ラーズィー(Abu Bakr Muhammad ibn Zakariyya al-Razi、854年頃〜925年頃)は、ペルシア(現イラン)のライ(Ray)出身のイスラム黄金時代を代表する医師・哲学者・錬金術師です。ラテン語化した名前「ラーゼス(Rhazes)」でヨーロッパにも広く知られました。
医学の分野では、バグダードの病院の院長を務め、膨大な臨床経験をもとに数多くの著作を残しました。代表的な業績として以下のものが挙げられます。
- 天然痘と麻疹を世界で初めて明確に区別・記述した(『天然痘と麻疹の書』)
- 百科全書的な医学大全『医学集成』(Kitab al-Hawi)を著し、ラテン語に翻訳されてヨーロッパ医学に長く影響を与えた
- 患者の症状観察と記録に基づく実証的な臨床手法を重視した
錬金術・化学の分野でも先駆的な業績を持ち、硫酸・塩酸などの物質に関する知識を体系化したことでも知られています。哲学の面では理性の優位を説き、権威より実験・観察を重視する姿勢を貫きました。
中世ヨーロッパの医学大学では、アビセンナ(イブン・スィーナー)と並んでアル=ラーズィーの著作が教科書として使われており、イスラム医学がヨーロッパ近代科学に橋渡しをした重要人物の一人とされています。
使い方・例文
医学史の授業で中世イスラム医学の成果を学ぶ際に、アル=ラーズィーは天然痘と麻疹の区別を初めて記述した人物として必ず紹介されます。
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