飯盛女とは?
めしもりおんな
飯盛女とは江戸時代の宿場町の旅籠に雇われた給仕女性で、実態は売春を伴うことが多かった歴史的な存在です。
飯盛女(めしもりおんな)とは、江戸時代の宿場町において旅籠(はたご)に雇われた女性のことです。名称は「飯を盛る(給仕をする)女」を意味しますが、実態としては旅人への性的なサービスを提供することが広く行われており、半ば公認の売春制度として機能していました。
幕府は公式には旅籠での女性の雇用に人数制限を設けるなど規制を試みましたが、取り締まりは徹底されず、大きな宿場では多数の飯盛女が存在しました。東海道の宿場では各旅籠に数人から数十人単位で雇われていたという記録も残っています。
飯盛女の多くは農村の貧しい家庭から年季奉公に出された女性たちで、前借金を抱えて働かされるという構造は、遊郭の遊女と類似しています。正式な遊郭とは異なり、幕府の管理が及びにくい曖昧な存在であったため、実態の把握は困難でした。
現代の歴史研究では、江戸時代の女性の労働・性・身分制度を考える上で重要な事例として取り上げられます。また「宿場文化」の光と影を象徴する存在として、時代小説や歴史教育の文脈でも言及されます。飯盛女の存在は、近世日本の旅と宿泊文化が持つ複雑な社会的背景を映し出しています。
使い方・例文
「東海道の宿場を描いた浮世絵には、旅籠の前で旅人を呼び込む飯盛女の姿が描かれている」というように、江戸時代の宿場文化を解説する文脈で登場します。
この用語をシェア
最終更新: