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電荷移動錯体とは?

でんかいどうさくたい

電荷移動錯体とは、電子供与体(ドナー)と電子受容体(アクセプター)が分子間で電子を部分的に移動させながら形成する非共有結合性の複合体です。

電荷移動錯体(でんかいどうさくたい)とは、電子を与えやすい分子(電子供与体・ドナー)と電子を受け取りやすい分子(電子受容体・アクセプター)の間で、電子密度の部分的な移動(電荷移動)を伴う非共有結合的な相互作用によって形成される分子複合体です。英語では「charge-transfer complex(CT complex)」と呼ばれます。

電荷移動錯体の形成は完全な電子移動(イオン化)ではなく、ドナーからアクセプターへの電子の「部分的な移動」が基本です。この相互作用は、ドナーの最高占有分子軌道(HOMO)とアクセプターの最低空分子軌道(LUMO)の重なりによって説明されます。電荷移動錯体は可視光域に特有の吸収帯(電荷移動吸収帯)を持ち、しばしば鮮やかな色を示します。

代表的な例として、ヨウ素(I2)とデンプンの青紫色の呈色反応はよく知られた電荷移動相互作用の現象です。有機化学では芳香族炭化水素(例:ピレン)とテトラシアノエチレンの複合体が典型例として挙げられます。

電荷移動錯体は有機導電体・有機超伝導体の研究において重要な役割を果たし、テトラチアフルバレン(TTF)とテトラシアノキノジメタン(TCNQ)の錯体は有機導電体の古典的な例として知られています。また、色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池の光電変換機構にも電荷移動の概念が深く関わっています。

使い方・例文

ヨウ素デンプン反応で試験紙が青紫色に変わる現象は、デンプン内部のらせん構造にヨウ素分子が取り込まれて電荷移動相互作用が生じるためです。

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