輻射圧とは?
ふくしゃあつ
光(電磁波)が物体に当たったときに与える圧力のことで、光の持つ運動量に由来する物理現象です。
輻射圧(ふくしゃあつ、Radiation Pressure)とは、光や電磁波が物体の表面に当たる際に、その表面を押す圧力のことです。光は質量を持たないにもかかわらず、エネルギーと運動量を持っており、物体に吸収または反射されるときにその運動量が物体に伝わります。
輻射圧の大きさは非常に小さく、日常生活では感じられません。しかし宇宙スケールでは無視できない力となります。たとえば、彗星の尾が常に太陽と反対方向を向くのは、太陽風とともに太陽光の輻射圧が塵の粒子を押しているためです。
輻射圧が関与する現象や応用例は次のとおりです。
- 彗星の尘(ダスト)の尾の向き
- 宇宙探査機に用いられる「ソーラーセイル(光帆)」の推進力
- レーザー冷却——光の輻射圧を使って原子を減速・冷却する技術
- 光ピンセット——集光したレーザーで微小粒子や細胞を操作する技術
輻射圧はジェームズ・クラーク・マクスウェルによって理論的に予言され、後にピョートル・レベデフらによって実験で確認されました。現代では光ピンセットやレーザー冷却など、精密科学・医療分野での応用が広がっています。
使い方・例文
光ピンセットでは、集光したレーザー光の輻射圧を利用して、生きた細胞やDNA分子のような微小な物体を非接触で捕捉・移動させることができます。
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