本文へスキップ

財政乗数とは?

ざいせいじょうすう

財政乗数とは、政府支出や税収の変化が国民所得(GDP)をどれだけ拡大・縮小させるかを表す経済学の指標です。

財政乗数(Fiscal Multiplier)とは、政府が財政政策として支出を増減したり税を変更したりしたとき、その変化が国民所得(GDP)に何倍の影響を与えるかを示す指数です。例えば財政乗数が2であれば、政府が1兆円支出を増加させたときに最終的にGDPが2兆円増加することを意味します。

乗数効果が生まれる仕組みは、消費の連鎖にあります。政府が公共事業に資金を投じると、建設会社の収入が増え、その従業員が消費を増やし、消費を受けた企業がさらに人件費を支払う…という波及効果が続きます。この連鎖の大きさは限界消費性向(MPC)に依存し、人々が所得のうち消費に回す割合が高いほど乗数は大きくなります。

財政乗数の大きさは経済状況によって大きく異なります。

  • 不況・ゼロ金利下では乗数が比較的大きくなりやすい
  • 好況・金利上昇局面ではクラウディングアウト(民間投資の押し出し)が生じ乗数が小さくなる
  • 開放経済では輸入への漏れがあり乗数が小さくなる傾向がある
  • 財政再建への信頼度が低いと、将来の増税を見越した消費抑制が起き乗数が縮小する

財政乗数の実証値をめぐっては経済学者間でも議論があり、0.5〜2.0程度の幅で推計値が分かれています。財政政策の効果を評価する際の重要な概念として、経済政策立案の場で広く参照されます。

使い方・例文

景気対策として政府が公共投資を拡大した場合、財政乗数の大きさによってGDPへの押し上げ効果がどの程度になるか試算されます。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語