誘電損失とは?
ゆうでんそんしつ
誘電損失とは、交流電場にさらされた絶縁体(誘電体)が電気エネルギーを吸収して熱に変換する現象で、電気機器の効率や信頼性に直接影響します。
誘電損失(dielectric loss)とは、交流電場に置かれた誘電体(絶縁体)の内部で、分極の変化が電場の変化に追いつけないために電気エネルギーが熱エネルギーとして散逸する現象を指します。
誘電体を交流電場に置くと、内部の電気双極子が電場に追従しようとして向きを変え続けます。しかし電場の周波数が高くなると、双極子の応答が電場の変化に遅れる(位相遅れが生じる)ため、エネルギーの一部が熱として失われます。この損失の大きさは損失正接(tan δ)という無次元数で表され、損失正接が大きいほど誘電損失が大きいことを意味します。
誘電損失が問題になる主な場面は以下のとおりです。
- 高周波回路の基板材料: プリント基板では損失正接の小さい素材(PTFE、低損失FR-4など)を使って信号の減衰を抑える
- 電力ケーブル: ケーブルの絶縁層での誘電損失は電力損失や温度上昇の原因になる
- コンデンサ: 高周波でのコンデンサの損失が回路効率を下げる
- 電子レンジ(加熱応用): 食品中の水分子がマイクロ波で誘電損失を起こし発熱する原理を積極的に利用する
材料の誘電損失特性は温度・周波数に依存するため、使用条件に合わせた材料選定が電子機器の小型化・高周波化において特に重要になっています。
使い方・例文
高速通信用の回路基板では誘電損失が大きい材料を使うと信号が熱として失われてしまうため、損失正接の小さい低誘電損失材料が採用されます。
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