菌類多様性とは?
きんるいたようせい
菌類多様性とは、地球上に存在するキノコ・カビ・酵母などの菌類の種類・形態・機能の豊かさを指し、生態系の健全性を測る重要な指標の一つです。
菌類多様性(Fungal Diversity)とは、地球上に生息するキノコ類・カビ類・酵母類などを含む菌類(Fungi)の、種数・形態・生態的機能・遺伝的多様性の豊かさのことです。菌類は植物でも動物でもない独自の真核生物界(菌界)を形成しており、現在記載されている種数は約15万種ですが、未記載種を含めると250万〜380万種以上に達すると推定されています。
菌類の多様性が生態系にとって重要である理由は、その機能的な多様さにあります。
- 分解者:落ち葉・枯れ木・動物の死骸などの有機物を分解し、栄養素を土壌に還元する
- 共生菌根菌:植物の根と共生(菌根)を形成し、水分・リンなどの吸収を助ける(世界の植物の約90%が菌根菌と共生)
- 病原菌:農作物・動物・人間に病気をもたらす種も多数存在する
- 発酵・食品利用:酵母によるパン・ビール・ワイン、麹菌による味噌・醤油の製造
- 医薬品の原料:ペニシリン産生菌などが代表例
近年は環境DNA解析(メタゲノミクス)の進歩により、これまで培養できなかった菌類の多様性が急速に明らかになっています。一方で、土地利用変化・農薬使用・気候変動により菌類多様性は世界的に低下傾向にあり、植物多様性の保全と並んで重要な課題となっています。
使い方・例文
森の土壌を調べる生態学調査で「このエリアには何種類の菌類が存在するか」を測定する際や、農業土壌の健全性評価で「菌類多様性が高い畑は作物が育ちやすい」という文脈で登場します。
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