篆刻とは?
てんこく
篆刻とは、石や金属などに篆書体で文字を彫り、印章を作る東アジアの伝統的な彫刻芸術です。
篆刻(てんこく)とは、石・金属・象牙・木などの素材に篆書体(てんしょたい)で文字や図案を彫り込み、押印用の印章(はんこ)を作る工芸・美術の一分野です。彫る文字が篆書体であることからこの名がつきました。
篆刻の歴史は古く、中国では古代から官職・身分・所有権を示す印として用いられてきました。日本には中国から伝わり、江戸時代に文人文化の広まりとともに芸術として定着しました。書画に押す「落款印(らっかんいん)」として広まり、書家・画家・詩人たちが自身で印を彫ることが教養とされました。
篆刻の制作工程は主に以下のとおりです。
- 文字や図案を設計し、印面に転写する
- 印刀(いんとう)と呼ばれる彫刻刀で石を彫り進める
- 朱肉をつけて試し押しし、仕上がりを確認・修正する
文字が浮き出る「陽刻(ようこく)」と、文字が白く抜ける「陰刻(いんこく)」の2種類があり、表現の雰囲気が大きく異なります。使用する石には青田石・寿山石・昌化石などが多く、石の硬さや質感が彫りやすさや仕上がりに影響します。
現代では書道・水墨画と並んで親しまれており、趣味の篆刻講座も各地で開かれています。印影そのものが書の一部として鑑賞される文化は、東アジア芸術の独自性を示す重要な要素です。
使い方・例文
書家が自分の作品の隅に赤い押印を施す際、その印は自ら篆刻したものであることが多く、落款とともに作品の個性を際立たせます。
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