生物多様性オフセットとは?
せいぶつたようせいおふせっと
生物多様性オフセットとは、開発行為によって失われた生態系や生物多様性の価値を、別の場所での保全・再生活動によって埋め合わせる仕組みです。
生物多様性オフセット(せいぶつたようせいオフセット、biodiversity offset)とは、道路建設や土地開発などの事業によって不可避的に生じる生態系・生物多様性への悪影響を、他の場所での保全活動や生態系再生によって相殺(オフセット)しようとする政策・ビジネス上の仕組みです。
背景と基本的な考え方として、生物多様性オフセットは「ミティゲーション・ヒエラルキー(緩和の階層)」という原則に基づいています。この考え方では、まず影響回避、次に最小化、その後修復を行い、それでも残る損失に対してのみオフセット(代償)を適用します。つまりオフセットは最後の手段であり、開発行為そのものの見直しが優先されます。
具体的な手法は次のとおりです。
- 保護区の新規設定や拡張
- 劣化した生態系(湿地・里山・草原など)の復元・再生
- 生物多様性クレジット(バンキング)の購入
- 侵略的外来種の除去と在来植生の回復
課題と批判として、生態系の「等価性」をどのように評価するか、オフセット先の保全が長期的に維持されるかどうか、「開発のお墨付き」になりかねないという懸念が専門家から指摘されています。一方で、企業の環境責任として生物多様性への配慮を促す仕組みとして、EU・オーストラリア・米国などで法制化や市場整備が進んでいます。日本でも自然資本・ネイチャーポジティブへの関心の高まりとともに注目されています。
使い方・例文
大規模ソーラーパネル施設の建設で湿地が失われる場合に、事業者が別の湿地を購入・保全して同等以上の生態系サービスを確保するといった取り組みが、生物多様性オフセットの典型例です。
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