物質移動係数とは?
ぶっしついどうけいすう
物質移動係数とは、流体と固体界面や気液界面などで物質がどれだけ速く移動・輸送されるかを表す、化学工学の重要なパラメータです。
物質移動係数(Mass Transfer Coefficient)は、化学工学・物理化学の分野で用いられるパラメータで、濃度差を駆動力として物質が二相間の界面を通じて移動する速度を定量化するものです。単位は一般的にm/s(メートル毎秒)またはkmol/(m²・s・kPa)などで表されます。
基本的な関係式は以下の形で表されます。物質フラックス(単位面積・単位時間当たりの物質移動量)は、物質移動係数と濃度差(または分圧差)の積として与えられます。この係数が大きいほど、同じ濃度差でより多くの物質が移動することを意味します。
物質移動係数に影響を与える主な要素は以下の通りです。
- 流体の流れの状態(層流・乱流)および流速
- 物質の拡散係数(拡散しやすさ)
- 流体の粘度・密度などの物性
- 界面の形状・大きさ
実際の工業プロセスでは、蒸留塔・吸収塔・抽出装置・膜分離装置などの設計において物質移動係数は必須の設計パラメータです。無次元数であるシャーウッド数・レイノルズ数・シュミット数を用いた相関式で推算されることが多く、スケールアップ設計にも活用されます。気液・液液・固液など対象とする相の組み合わせによって「気相物質移動係数」「液相物質移動係数」などと区別されます。
使い方・例文
CO₂回収装置の設計で、アミン溶液による吸収速度を計算する際に気相・液相それぞれの物質移動係数を用いて塔の高さを算定するような場面で使われます。
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