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焼き切りとは?

やきぎり

焼き切りとは、陶芸における釉薬の技法のひとつで、釉薬を器の底近くまでかけ、窯の中で自然に流れ落ちた跡を意匠として活かす手法です。

焼き切り(やききり)は、主に陶磁器の制作において用いられる釉薬(うわぐすり)の技法です。釉薬を器の胴部から高台(こうだい)のすぐ上あたりまで、あえて下端ギリギリまで厚くかけておき、焼成中に釉薬が熱で溶けて垂れ流れ、棚板に付着する寸前で止まった状態の景色(けしき)を狙います。

焼成後に釉薬が流れた跡は独特のしずく形や縦縞状の模様となり、計算しきれない偶然の美が生まれるのが焼き切りの魅力です。これは作家の意図と窯の火という自然の力が共同して作り出す「景色」として、陶芸家から高く評価されています。

焼き切りの特徴と注意点は以下の通りです。

  • 釉薬が棚板に流れ付くと窯の棚を傷めるため、精密な釉量の調整が必要
  • 灰釉・青磁釉・鉄釉など流れやすい釉薬で特に用いられる
  • 器の底部に「釉だれ」の跡が残り、独特の表情が生まれる
  • 茶陶や花入れなど侘びの美を求める器種でよく見られる

焼き切りの技法は、完全にコントロールするのではなく「偶然を招く」という日本的な美意識を体現しており、茶の湯の世界で特に珍重される景色のひとつです。

使い方・例文

「その花入れは釉薬が高台近くまで大胆に流れた焼き切りの跡が美しく、窯変による青から茶へのグラデーションが見どころだった。」

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