治療域とは?
ちりょういき
治療域とは、薬物が有効に効果を発揮しながら重篤な副作用を起こさない血中濃度の範囲のことです。
治療域(治療濃度域・therapeutic window)は、ある薬物が治療上の有益な効果を示す最小の血中濃度(最小有効濃度:MEC)から、毒性や副作用が許容できないほど強く現れる濃度(最小毒性濃度)までの範囲を指します。
治療域の概念は薬物治療の安全性を考える上で非常に重要です。
- 血中濃度が治療域を下回ると、薬の効果が不十分になる(治療失敗)
- 治療域内を維持すると、最大限の効果と最小限の副作用を両立できる
- 血中濃度が治療域を超えると、毒性や重篤な副作用が現れる
治療域が狭い薬(狭域治療薬)は管理が特に難しく、血中濃度モニタリング(TDM:治療薬物モニタリング)が必要です。代表例としてワルファリン(抗凝固薬)、ジゴキシン(強心薬)、バンコマイシン(抗菌薬)、フェニトイン(抗てんかん薬)などがあります。これらは個人差・腎機能・薬物相互作用などの影響を受けやすく、定期的な採血で濃度を確認しながら投与量を調整します。
使い方・例文
ジゴキシンを服用中の患者で定期的に血中濃度を測定して「治療域に入っているか」を確認する、ワルファリンの用量調整をINRモニタリングで行うといった場面で登場する概念です。
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