水素化ホウ素ナトリウムとは?
すいそかほうそなとりうむ
水素化ホウ素ナトリウムとは、有機合成でアルデヒドやケトンを選択的に還元するために広く使われる試薬です。
水素化ホウ素ナトリウム(すいそかホウそナトリウム、英: sodium borohydride、化学式 NaBH₄)は、ナトリウムイオン(Na⁺)と水素化ホウ素イオン(BH₄⁻)からなる白色の固体試薬で、有機化学において最もよく使われる還元剤の一つです。
NaBH₄ の最大の特徴は穏やかな選択的還元力にあります。強力な還元剤である水素化リチウムアルミニウム(LiAlH₄)と比べて反応性が低く、アルコールや水にも比較的安定です。主に次の変換に用いられます。
- アルデヒド → 第一級アルコール
- ケトン → 第二級アルコール
- イミン → アミン(還元的アミノ化)
一方、エステル・カルボン酸・ニトリルなどはNaBH₄ では通常還元されません。この選択性が多段階合成において特定の官能基だけを変換したい場合に重宝される理由です。
実験操作では、メタノール・エタノール・テトラヒドロフランなどの溶媒中で基質と混合し、反応後に水を加えて過剰の試薬を分解してから生成物を単離します。水や酸性条件では水素ガスを発生しながら分解するため、取り扱いには注意が必要です。
製薬・化学工業でも医薬品中間体の合成に広く使われており、実験室スケールから工業スケールまで汎用性の高い試薬として位置づけられています。
使い方・例文
実験室でバニリン(アルデヒド)をバニリルアルコール(アルコール)に変換する際に水素化ホウ素ナトリウムが用いられます。医薬品合成の工程でも還元ステップに頻繁に登場します。
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