比例ハザード仮定とは?
ひれいはざーどかてい
比例ハザード仮定とは、Cox比例ハザードモデルにおいて、2つのグループ間のハザード比(事象発生のリスク比)が時間を通じて一定であると仮定する統計的前提のことです。
比例ハザード仮定(Proportional Hazards Assumption)は、生存時間分析で最も広く使われるCox比例ハザードモデル(1972年、David Cox提唱)の根本的な前提条件です。この仮定は「異なる共変量(グループや治療条件)のハザード比は、観察期間全体を通じて変わらない(一定である)」ことを要求します。
「ハザード」とは、ある時点まで生存(あるいは事象未発生)していた個体が、次の瞬間に事象を経験する瞬間的なリスクのことです。比例ハザード仮定が成立するとき、グループAとグループBのハザード関数の比h_A(t)/h_B(t)は時間tに依存せず定数になります。これにより、ベースラインハザードがどのような形状をしていても、共変量の効果(ハザード比)を分離して推定できるというCoxモデルの強みが生まれます。
比例ハザード仮定の検証方法には以下があります。
- Log-log生存曲線のプロット:グループ間の曲線が平行であれば仮定が概ね成立しています。
- シェーンフェルド残差検定:残差と時間の相関が有意であれば仮定の違反を示します。
- 時間×共変量の交互作用項の追加:モデルに投入して係数の有意性を確認します。
仮定が成立しない場合は、時変共変量モデルの採用や層別Cox回帰、ワイブル回帰などの代替手法を検討します。臨床試験や疫学研究において生存時間データを正しく分析するための、必須のチェック事項です。
使い方・例文
2つの治療法の生存率を比較する臨床試験で「どちらの治療も死亡リスクの比が観察期間中ずっと一定である」という比例ハザード仮定を検証する場面や、この仮定の成否を確かめるためにlog-log生存曲線を描いて平行性を確認する場面で登場します。
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