歙州硯とは?
きゅうしゅうけん
歙州硯とは、中国・安徽省歙州(現・歙県周辺)で産出される天然石を使った銘硯で、端渓硯と並ぶ中国二大名硯の一つです。
歙州硯(きゅうしゅうけん)とは、中国・安徽省南部の歙州(きゅうしゅう、現在の歙県・婺源周辺)で採掘される龍尾石(りゅうびせき)を素材とした硯(すずり)です。端渓硯(たんけいけん)とともに「中国二大名硯」に数えられ、書画を愛する文人・書家に珍重されてきました。
歙州硯の素材である龍尾石は、古生代の堆積岩が変成した非常に緻密な石で、独特の模様と色合いが特徴です。石の表面には金星・銀星・眉紋・羅紋・魚子紋など美しい模様が現れ、これが石の価値や格付けに深く関わります。
歙州硯の優れた特性は次のとおりです。
- 石質が緻密で細かく、墨の磨れ(あたり)が滑らか
- 発墨性が高く、良質な墨汁が速やかに得られる
- 保水性があり、墨が乾きにくい
- 硬度が高く耐久性に優れる
宋代には文人たちが競って珍品を収集し、米芾や蘇軾も歙州硯を愛用・賞賛したと伝わります。現代では産地が限られ良質な原石の採掘量が減少しているため、古い名硯は美術品として高く評価されています。日本にも古来から輸入され、書道界で「唐硯(からすずり)」の代表格として知られています。
使い方・例文
「歙州硯は金星の模様が浮かぶ美しい見た目だけでなく、その発墨のよさから書家が実用の硯としても愛用します。」
この用語をシェア
最終更新: