端渓硯とは?
たんけいけん
端渓硯とは、中国広東省の端渓(たんけい)で産出される石材を用いた硯で、中国四大名硯のひとつとして古来最高位に置かれる名硯です。
端渓硯(たんけいすずり)とは、中国広東省肇慶市(旧称・端州)を流れる端渓流域で採掘される「端石(たんせき)」という石材を用いて作られた硯のことです。中国の四大名硯(端渓硯・歙州硯・洮河硯・澄泥硯)のうち最高位に位置づけられ、「硯の王」とも呼ばれます。
端石の最大の特徴は、適度な滑らかさと細かい粒子にあります。墨を磨ると石が墨の膠を適切に削り、発色の良い滑らかな墨液が素早く得られます。また吸水性が低く、磨った墨が乾きにくいため作業効率が良いとされます。石の色は紫がかった灰色(紫石)が最も代表的で、「鸚鵡緑」「石眼(いしめ)」と呼ばれる模様が出るものは特に珍重されます。
端石の採掘は唐代に始まったとされ、宋代には皇帝への献上品となるほど珍重されました。採掘場所によって「坑(こう)」の名称が付けられており、
- 老坑(ろうこう)— 最上品とされる古くからの採掘場
- 坑仔岩(こうじがん)— きめ細かく石眼が出やすい
- 麻子坑(まじこう)— 滑らかさに優れる
現在は採掘量が大幅に減少しており、良質な端渓硯は希少品として骨董市場でも高値で取引されています。
使い方・例文
書道の愛好家が「端渓の老坑石の硯を手に入れた」と語る場合、中国最高級の硯石を使った工芸品を入手したことを意味します。
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