感情ヒューリスティックとは?
かんじょうひゅーりすてぃっく
感情ヒューリスティックとは、好き・嫌いや怖いといった感情を手がかりに判断や意思決定を素早く行う思考の近道のことです。
感情ヒューリスティック(affect heuristic)とは、論理的な分析を経るのではなく、その時点で抱いている感情(好意・嫌悪・恐怖・喜びなど)を根拠にして判断や意思決定を行う認知プロセスを指します。
心理学者ポール・スロヴィックらの研究によって体系化された概念で、人間が不確実な状況で素早く判断を下すために用いる「精神的な近道(ヒューリスティック)」のひとつとして位置づけられています。感情ヒューリスティックでは、「好き=リスクが低く恩恵が高い」「嫌い=リスクが高く恩恵が低い」というように感情が自動的にリスクと便益の評価を歪めます。
この仕組みが機能する具体的な場面には以下のものがあります。
- 原子力発電に対して感情的な恐怖を持つ人は、客観的なデータより高いリスクを見積もる傾向がある
- 外見が好印象な人物の意見をより信頼できると感じる(ハロー効果との重なり)
- 贔屓のブランドや人物の提案は欠点を見落としがちになる
感情ヒューリスティックは日常的な判断をスムーズにするという利点がある一方で、正確な情報処理を妨げるバイアスにもなります。リスクコミュニケーションや政策立案の場では、人々が感情ヒューリスティックに基づいて行動するという前提を踏まえた説明設計が求められます。行動経済学や消費者心理学でも広く応用される概念です。
使い方・例文
好きなタレントが推薦する商品は根拠を確かめずに「良いものに違いない」と感じて購入してしまうのは、感情ヒューリスティックが働いている典型例です。
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