志向性とは?
しこうせい
志向性とは、意識や精神状態が常に「何かについての」ものである性質を指す哲学・認知科学の概念で、フランツ・ブレンターノが体系化しました。
志向性(Intentionality)とは、意識や精神状態が常に何らかの対象に向かっている性質のことです。「意識はつねに何かについての意識である」というテーゼで表され、現象学・心の哲学・認知科学の中心概念のひとつです。
この概念を近代哲学に復活させたのは19世紀のオーストリアの哲学者フランツ・ブレンターノです。彼は精神現象の特徴として「志向的内存在」という概念を提示し、物理現象と異なり心的現象は必ず対象への指向性を持つと論じました。この着想はエドムント・フッサールの現象学に引き継がれ、「志向的行為」と「志向的対象(ノエマ)」の分析へと発展しました。
志向性の具体的な例として、以下のような精神状態が挙げられます。
- 信念(何かを信じる)
- 欲求(何かを望む)
- 知覚(何かを見る・聞く)
- 思考(何かを考える)
- 感情(何かを恐れる・愛する)
現代の心の哲学では、コンピュータやロボットが本当の意味で志向性を持てるかという問い(ジョン・サールの「中国語の部屋」論証など)が議論されており、人工知能と意識の関係を考える上でも重要な概念です。また言語哲学では、言語表現が対象を指示する「言語的志向性」の問題としても研究されています。
使い方・例文
「「桜が美しい」と思うとき、その思考は桜という対象に向かっている。これが志向性の典型的な例です。」という形で心の哲学の説明に登場します。
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