徳倫理学とは?
とくりんりがく
徳倫理学とは、行為の結果や規則よりも行為者の「徳(美徳)」と人格の形成を中心に据える倫理学の立場です。
徳倫理学(とくりんりがく、virtue ethics)とは、道徳的評価の焦点を「何をすべきか(行為の規則)」や「結果がどうなるか(帰結)」ではなく、「どのような人間であるべきか(行為者の徳・人格)」に置く倫理学の立場です。古代ギリシャのアリストテレスに起源を持ちます。
アリストテレスは徳(アレテー)を「卓越した性格特性」と定義し、勇気・節制・正義・思慮(フロネーシス)などを主要な徳として挙げました。徳は生まれつきのものではなく、反復的な実践と習慣形成によって身につくとされます。
徳倫理学の主な特徴は以下の通りです。
- 「有徳な人ならどう行動するか」を行動指針とする
- エウダイモニア(幸福・よく生きること)を人生の目的として重視する
- 共同体の中で徳を実践することを強調する
- 道徳的感情や直観を肯定的に評価する
20世紀後半、功利主義や義務論への批判としてマッキンタイア、フット、ハーストハウスらが徳倫理学を復興させました。現代では医療倫理・ビジネス倫理・教育哲学などで広く参照されています。
使い方・例文
「この場面で誠実な人ならどう行動するだろう」と自問することは、徳倫理学的な道徳的推論の典型例です。医師の倫理教育などで「よい医師はどのような人格を持つか」を問う場面でも用いられます。
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