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天アンカットとは?

てんあんかっと

天アンカットとは、本の上部(天)の小口断裁せずそのまま残した製本仕様で、手作り感や高級感の演出に用いられる技法です。

天アンカット(てんアンカット)とは、製本において本の天(上辺)の小口部分を最終的に断裁(カット)せずに残した状態の製本仕様のことです。通常の本は製本後に三方断裁機で天・地・小口の三辺をきれいに揃えて切断しますが、天アンカットではあえて天の断裁を行いません。

アンカットの状態では、印刷・折り・綴じの工程でわずかに不揃いになった紙の端がそのまま残るため、ページの上部がやや凸凹した自然な風合いになります。これは19世紀ヨーロッパの手製本の伝統に由来しており、高価な書籍では購入者自身がペーパーナイフでページを開くスタイルが行われていたことの名残でもあります。

天アンカットが用いられる主な目的は以下のとおりです。

  • 手仕事感・クラフト感の演出による高級感の付与
  • アートブックや詩集などで独自の質感・個性を表現
  • 意図的に非均一な美しさを狙ったブックデザイン

日本では文芸書や詩集、写真集、限定版の書籍などで採用されることがあります。断裁コストを省く副次的な効果もありますが、主としてデザイン上の選択として用いられる仕様です。ページを開く際にやや引っかかりを感じることもあるため、実用性よりも美的・文化的な価値を重視した製本方式といえます。

使い方・例文

詩集や限定版の文芸書で、本の上部がわずかに凸凹した状態のまま残されているのが天アンカットで、手仕事の温かみを感じさせる仕上がりになっています。

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