多剤耐性菌とは?
たざいたいせいきん
多剤耐性菌とは、複数の系統の抗菌薬に同時に耐性を示す細菌のことで、治療が著しく困難になる感染症の原因となります。
多剤耐性菌(たざいたいせいきん、multidrug-resistant bacteria)とは、通常の感染症治療に用いられる複数の系統の抗菌薬(抗生物質)に対して耐性を獲得した細菌の総称です。1種類の薬剤だけでなく、複数の薬剤が同時に効かなくなっているため、治療の選択肢が極めて限られることが特徴です。
代表的な多剤耐性菌としては以下のものが知られています。
- MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
- ESBL産生菌(基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生菌)
- CRE(カルバペネム耐性腸内細菌科細菌)
- 多剤耐性緑膿菌(MDRP)
耐性を獲得する仕組みは多様で、薬剤を分解する酵素の産生、薬剤の排出ポンプの強化、細胞壁の透過性変化などがあります。また、耐性遺伝子はプラスミドを介して異なる細菌種間でも水平伝播するため、耐性が急速に広がりやすいという問題があります。
多剤耐性菌の蔓延は「薬剤耐性(AMR)」として世界保健機関(WHO)が重大な公衆衛生上の脅威と位置づけており、抗菌薬の適正使用と感染対策の徹底が世界的課題となっています。
使い方・例文
免疫力が低下した入院患者にMRSAが感染した場合、通常の抗生物質が効かず、バンコマイシンなど限られた薬剤に頼らざるを得ない状況が多剤耐性菌の典型例として挙げられます。
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