場所細胞とは?
ばしょさいぼう
場所細胞とは、動物が特定の場所にいるときに活発に発火するニューロンで、脳内で「今どこにいるか」という空間情報を処理する神経細胞のことです。
場所細胞(place cell)とは、主に哺乳類の海馬に存在するニューロン(神経細胞)の一種で、動物が特定の空間的位置に差し掛かったときに選択的かつ強力に活動電位を発する細胞です。脳内GPSとも称され、「今自分がどこにいるか」という空間的な自己位置の認識を担います。
場所細胞はジョン・オキーフ(John O'Keefe)によって1971年にラットで初めて発見されました。この発見は後にグリッド細胞の発見と合わせて、2014年のノーベル生理学・医学賞をオキーフとモーザー夫妻にもたらしました。
場所細胞の主な特徴は次の通りです。
- 場所特異性:各場所細胞には「場所野(place field)」と呼ばれる特定の空間領域があり、動物がそこにいるときのみ発火します。
- 認知地図の形成:多数の場所細胞が連携して、環境全体の内部表現(認知地図)を作り上げます。
- 再マッピング:環境が変わると場所細胞の発火パターンが組み替わり、新しい地図が形成されます。
- 記憶との関係:場所細胞は空間記憶だけでなく、エピソード記憶の形成にも関与していると考えられています。
場所細胞の研究は、アルツハイマー病などの記憶障害や方向感覚の障害のメカニズム解明にも貢献しています。海馬はアルツハイマー病で最初に損傷を受ける部位であり、場所細胞の機能低下が「迷子になりやすい」という初期症状につながることが示唆されています。
使い方・例文
ラットが迷路のある角を曲がるたびに特定のニューロンが活発に発火することが観察され、これが場所細胞の存在を実証する実験として有名です。
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