地とは?
ち
「地」とは、文章・音楽・染織・演劇など様々な芸術分野で、主役や装飾の「背景・土台」となる部分を指す言葉です。
地(じ)は、日本の芸術・工芸・芸能の分野において、装飾や表現の背景・下地・土台となる部分を広く指す言葉です。「地」という概念は多くの分野にまたがって使われており、それぞれのコンテキストで意味が微妙に異なります。
主な使用分野と意味は以下のとおりです。
- 染織・織物:文様や刺繍が施されていない背景の布地部分。「地色(じいろ)」はその色を指す
- 書道・絵画:墨や絵の具を塗る前の紙・素材の地肌、または余白・背景部分
- 陶芸・漆器:模様の施されていない素地(きじ)の部分
- 能・浄瑠璃・歌舞伎:地謡(じうたい)や地方(じかた)のように、独唱・主役以外の合唱・囃子方の総称として使われる
- 文章・話し言葉:「地の文(じのぶん)」は小説などで会話文以外の語り手による文章部分を指す
いずれの用法でも共通するのは、主役・前景・装飾に対する「土台・背景」という対立概念です。日本の美学では、主役の輝きを最大限に引き出すために「地」が丁寧に作り込まれることが重視されます。能楽の地謡が舞手を精神的に支えるように、「地」は単なる背景ではなく作品の本質的な支持構造です。「地味(じみ)」という言葉も、装飾よりも「地」の素朴さを重んじる感覚から生まれた表現です。
使い方・例文
着物の「紅地に金の刺繍」という表現では、赤い布地が「地」であり、そこに施された金刺繍が模様にあたります。また小説の「地の文」は、登場人物のセリフではなく語り手が状況を説明する文章部分を指します。
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