図像学とは?
ずぞうがく
図像学とは、絵画や彫刻などの視覚芸術作品に描かれた主題・象徴・意味を体系的に読み解く学問分野です。
図像学(ずぞうがく、iconography)とは、視覚芸術作品——絵画、彫刻、版画、装飾などに用いられるモチーフ・シンボル・図像の意味と内容を研究する学問です。ギリシャ語の「eikon(像)」と「graphia(記述)」に由来します。
20世紀に美術史家エルヴィン・パノフスキーが体系化した方法論では、作品の解釈を三つの層に分けています。
- 前図像学的記述:画面に何が描かれているかをそのまま認識する段階(人物・動物・建物など)
- 図像学的分析:描かれた主題が何を表すかを特定する段階(聖母子像・ヴィーナスなど)
- 図像解釈学的解釈:作品が属する時代・文化・思想の象徴的意味を読み解く段階
図像学の研究対象は広範にわたります。キリスト教図像学では聖人の持ち物(アトリビュート)から誰を描いたかを特定し、神話図像学ではギリシャ・ローマ神話の場面を識別します。また東洋美術では仏像の印相や持物の意味を解読することも図像学的研究に含まれます。
図像学は美術史の基礎的手法であるとともに、博物館学・宗教学・文化史・メディア研究とも密接に関わる学際的な学問領域として発展しています。視覚表現を言語化し歴史的・文化的文脈の中に位置づける営みそのものが、図像学の本質と言えます。
使い方・例文
中世ヨーロッパの絵画で鍵を持つ人物が「聖ペトロ」であると特定したり、ひまわりが描かれた絵に「太陽への憧憬」という象徴的意味を読み取ったりする研究が、図像学の典型的な場面です。
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