器官なき身体とは?
きかんなきしんたい
器官なき身体とは、ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリが提唱した概念で、固定した機能・秩序・意味付けから解放された、潜在的な強度の平面を指します。
器官なき身体(Corps sans Organes、略称CsO)は、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリが共著『アンチ・オイディプス』(1972年)および『千のプラトー』(1980年)で展開した概念です。もともとフランスの詩人・劇作家アントナン・アルトーの言葉から着想を得ています。
通常、「身体」は心臓・肺・胃などの「器官」がそれぞれの機能を担う有機的組織として理解されます。しかしドゥルーズとガタリが批判するのは、こうした「有機的組織化」の発想そのものです。器官(機能・役割・意味)に従って身体を区画し、各部位に固定した目的を与えることは、身体の可能性を制限し、特定の秩序に身体を縛りつける「層化」の操作だというのです。
器官なき身体とは、そうした層化・コード化・組織化以前の状態、あるいはそこから脱出する動きを指します。具体的には次のような意味合いを持ちます。
- 欲望が自由に流れる「強度の平面」
- 資本主義・国家・精神分析などによる管理や意味付けへの抵抗の場
- 「なる(devenir)」の運動が展開される場所
この概念は社会批評・芸術論・身体論において、既存の組織や規範に縛られない可能性の場として参照され続けており、現代思想における「脱領域化」の論理的基盤を提供しています。
使い方・例文
芸術や政治運動において、既成の意味付けや役割から逃れ、新しい表現や生のあり方を模索する実践を論じるときに「器官なき身体」という概念が登場します。
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