同位体希釈法とは?
どういたいきしゃくほう
同位体希釈法とは、既知量の安定同位体または放射性同位体を試料に添加し、その希釈比から目的物質の量を正確に測定する分析法のことです。
同位体希釈法(isotope dilution analysis、IDA)は、化学分析・核化学分野で用いられる高精度な定量分析法です。化学的性質はほぼ同じで質量数が異なる同位体(安定同位体または放射性同位体)を既知量だけ試料に添加し(スパイク)、その後試料から精製した成分の同位体比率を測定することで、元の試料中の目的物質の量を逆算します。
分析の手順は大まかに以下のとおりです。
- 目的元素の天然同位体比を確認する
- 特定の同位体で高度に濃縮した「スパイク」を既知量添加する
- 試料とスパイクを均一に混合する(平衡化)
- 質量分析計(ICP-MSや熱電離質量分析計など)で同位体比を測定する
- 混合前後の同位体比から希釈比を計算し、目的物質の量を求める
この手法の最大の利点は、分析途中に目的物質が一部ロスしても同位体比は変わらないため、回収率の定量補正が不要で非常に精度が高いことです。環境分析(重金属の微量定量)・地球化学(岩石の年代測定)・核燃料管理(ウラン・プルトニウムの計量管理)・臨床検査(安定同位体を用いたトレーサー研究)など幅広い分野で活用されています。
使い方・例文
水質検査で鉛などの重金属を微量定量する際に、安定同位体の鉛(²⁰⁸Pb など)をスパイクとして添加して ICP-MS で測定する同位体希釈法が用いられており、ppb(十億分の一)レベルの超微量分析を正確に行うことができます。
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