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双極子モーメントとは?

そうきょくしもーめんと

双極子モーメントとは、電荷や磁極などが一定距離を隔てて向かい合う双極子構造の強さを表す物理量です。

双極子モーメントとは、正負の電荷(または磁極)が空間的に分離している「双極子」の強度と方向を表すベクトル量です。電気双極子モーメントの場合、電荷量 q と正負の電荷間の距離 d の積(p = qd)で定義され、単位はクーロンメートル(C·m)が使われます。

化学では、分子内の原子間で電気陰性度の差があると電子が偏り、電気双極子モーメントが生じます。たとえば水分子(H₂O)は酸素側に電子が偏るため大きな双極子モーメントをもち、これが水の高い極性や沸点の高さに直結しています。分子の対称性が高いと各結合の双極子が打ち消し合い、全体の双極子モーメントはゼロになります(二酸化炭素など)。

磁気双極子モーメントは、電流ループや電子のスピンに由来します。原子・分子の磁性(常磁性・反磁性・強磁性)を理解するうえで中心的な概念であり、MRI(磁気共鳴画像法)などの医療技術もスピン磁気双極子モーメントを利用しています。

双極子モーメントが重要な場面をまとめると次のとおりです。

  • 分子の極性・溶解性の予測
  • 赤外分光法での吸収ピーク解析
  • 液晶や誘電体材料の設計
  • 核磁気共鳴(NMR)・MRIの原理
電磁気学から量子化学まで幅広い分野にわたる基礎概念で、物質の性質を原子・分子レベルで理解するうえで欠かせない量です。

使い方・例文

水分子の双極子モーメントは約1.85デバイで、この値が大きいほど分子の極性が強く、水が良い溶媒として働く理由の一つになっています。

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