共鳴蛍光とは?
きょうめいけいこう
共鳴蛍光とは、原子や分子が吸収した光と同じ波長の光を再放射する現象で、分析化学や量子光学で重要な現象です。
共鳴蛍光(きょうめいけいこう、resonance fluorescence)とは、原子・分子・イオンが特定の波長の光(光子)を吸収した後、その吸収と同じ波長の光を再放出する現象です。通常の蛍光が吸収波長より長い波長(ストークスシフト)で発光するのとは異なり、共鳴蛍光では吸収・放出の波長が一致します。
共鳴蛍光が起こるメカニズムは次のとおりです。原子が入射光子を吸収すると電子が励起状態に遷移します。その後、同じエネルギー差に対応する光子を放出して基底状態に戻るとき、入射光と同波長の光が放射されます。ただし放出される光は入射光とは異なる方向にランダムに散乱されます。
共鳴蛍光の主な応用は次のとおりです。
- 原子吸光分析:特定元素の定量分析に利用
- レーザー冷却:共鳴蛍光を繰り返し利用して原子を減速・冷却する
- 大気リモートセンシング:ナトリウム層などの大気成分の観測に応用
量子光学の観点では、単一原子が発する共鳴蛍光は量子性(光子反束効果など)を示すため、量子情報科学の実験的研究でも重要な現象として扱われています。
使い方・例文
天文台で使われるレーザーガイド星技術では、ナトリウム原子が豊富に存在する高度約90kmの大気層に向けてレーザーを照射し、共鳴蛍光によって輝く人工の「星」を作り出します。これを基準点として望遠鏡の収差補正(補償光学)に用います。
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