光子球とは?
こうしきゅう
光子球とは、ブラックホールの重力が光を円軌道で周回させる球状の領域で、ブラックホールの特徴的な構造の一つです。
光子球(こうしきゅう、photon sphere)は、ブラックホール周辺に存在する球状の領域で、光(光子)が重力の影響によって円形の軌道を描くことができる境界面を指します。一般相対性理論に基づく概念で、強重力場の特殊な性質を示す重要な構造です。
通常の天体付近では、光は直進するか軽くカーブする程度ですが、ブラックホールのような極端に強い重力場では、光の経路が大きく湾曲します。光子球は、この湾曲がちょうど円軌道となる距離に形成されます。シュワルツシルトブラックホール(自転しない理想的なブラックホール)の場合、光子球の半径はシュワルツシルト半径(事象の地平面の半径)の1.5倍に位置します。
光子球の特徴として重要なのは、この軌道が不安定平衡にあることです。光子は理論上、光子球上を無限に周回できますが、わずかな擾乱で内側(ブラックホールへ吸い込まれる)または外側(逃げていく)へそれてしまいます。
光子球は直接観測することは難しいものの、ブラックホールの「影(シャドウ)」の境界に対応しており、2019年に事象の地平線望遠鏡(EHT)が撮影したM87銀河中心ブラックホールの画像で、光子球の存在を示す構造が確認されました。現代の観測的宇宙物理学において注目される概念です。
使い方・例文
ブラックホールに関する天文学の解説や映画『インターステラー』のビジュアル考証の文脈で、「光子球の内側では光もブラックホールから逃げられない」として登場します。
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