一般意志とは?
いっぱんいし
一般意志とは、ルソーが提唱した概念で、個々人の私的な利害(特殊意志)を超えた、社会全体の共通善・公共の利益を目指す意志のことです。
一般意志(volonté générale)は、18世紀フランスの思想家ジャン=ジャック・ルソーが主著『社会契約論』(1762年)において展開した政治哲学の核心概念です。民主主義理論・社会契約論の歴史において極めて影響力の大きい概念として知られています。
ルソーは意志を三種類に区別しました。
- 特殊意志(volonté particulière):個人の私的な欲求・利害
- 全体意志(volonté de tous):すべての個人の特殊意志を単純に合計したもの
- 一般意志(volonté générale):私的利害を超えた、社会全体の共通善を目指す意志
ルソーによれば、一般意志は常に正しく(infaillible)、公共善を向いているものです。市民が真に一般意志に従うとき、それは他者に従うのではなく、最良の自己自身に従うことであり、そこに自由と服従の矛盾が解消されるとルソーは考えました。
しかし一般意志は「何が公共善か」を具体的に示す手続きを明確にしなかったため、多数派の意志や国家の意志と同一視される危険も孕んでいます。フランス革命期にはジャコバン派がこの概念を援用したこともあり、全体主義的解釈への批判も存在します。
一般意志の概念は、代議制民主主義・直接民主主義・熟議民主主義をめぐる議論において今日も参照されており、政治の正統性の根拠をどこに求めるかという問いと深く結びついています。
使い方・例文
国民投票や住民投票の正統性を論じる場面や、「多数決の結果が本当に社会全体の利益を反映しているか」を問う政治哲学の議論でよく登場する概念です。
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