ル・シャトリエの原理とは?
る・しゃとりえのげんり
「原理」の用語まとめを見るル・シャトリエの原理とは、平衡状態にある化学系に外部から変化が加わると、その変化を打ち消す方向に平衡が移動するという化学の基本原理です。
ル・シャトリエの原理(Le Chatelier's principle)は、1884年にフランスの化学者アンリ・ルイ・ル・シャトリエが提唱した原理で、「平衡移動の原理」とも呼ばれます。化学平衡にある反応系に対して温度・圧力・濃度などの条件が変化したとき、その変化を緩和する方向に新たな平衡状態へと移行することを示しています。
平衡移動が起こる主な要因は以下のとおりです。
- 濃度変化:反応物の濃度を増やすと生成物が増える方向(正反応方向)に平衡が移動し、生成物濃度を増やすと逆反応方向に移動する。
- 温度変化:発熱反応では温度を上げると逆反応(吸熱方向)に、温度を下げると正反応(発熱方向)に平衡が移動する。
- 圧力変化:気体を含む反応では、圧力を高めると気体分子数が少なくなる方向に平衡が移動する。
工業的に重要な応用例として、アンモニア合成(ハーバー・ボッシュ法)があります。窒素と水素からアンモニアを合成するこの反応は発熱反応かつ体積が減少する反応であるため、ル・シャトリエの原理から高圧・低温の条件が有利ですが、実際には触媒の活性を維持するため中程度の温度(約400〜500℃)と高圧(150〜300気圧)が採用されています。
ル・シャトリエの原理は化学工業における反応条件の最適化に広く活用されており、pH緩衝液の仕組みや生体内の酸素・二酸化炭素の運搬にも関連しています。
使い方・例文
水溶液に酸を加えたとき、緩衝液がpHの急激な変化を抑えるのは、ル・シャトリエの原理により平衡が酸を中和する方向へ移動するためです。
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