リトグラフとは?
りとぐらふ
リトグラフとは、石版や金属板の平滑な面に油性の素材で描画し、水と油の反発原理を利用してインクを転写する平版印刷技法のことです。
リトグラフ(Lithograph)は、ドイツ語の「石(Lithos)」と「書く(Graphein)」を語源とする版画技法であり、平版印刷の一種です。18世紀末にアロイス・ゼネフェルダーによってドイツで発明され、その後芸術・商業印刷の両分野に広く普及しました。
製版の基本原理は、水と油脂が反発し合う性質を利用しています。石灰石(現在はアルミ板やジンク板が多用)の平滑な面に油性のクレヨンや墨(チュッシュ)で描画し、化学処理を施すと、描画部分だけが油性インクを受け付け、それ以外の部分は水を保持してインクをはじく状態になります。この版に紙を当てて圧力をかけることで図像が転写されます。
リトグラフの特徴と利点には以下のものが挙げられます。
- 版に直接描いた絵の質感をそのまま紙に再現できる。
- 細かいグラデーションや線の微妙なニュアンスが出しやすい。
- 多色刷り(クロモリトグラフ)にも対応可能。
- 版の摩耗が少なく、比較的多くの枚数を印刷できる。
19世紀以降、ゴヤ・ドーミエ・ロートレックなど多くの芸術家がリトグラフを表現手段として積極的に採用しました。現代でもアートプリントとして芸術家に親しまれており、版画コレクションの対象としても人気があります。作家が直接手を動かして制作した真正性が評価される点が、他の複製技術との違いです。
使い方・例文
「美術館のショップでロートレックのリトグラフのポスターを購入した」「版画展でリトグラフの制作実演を見学した」というように、版画・美術の場面で登場します。
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